あれとアレは混ぜるな危険

日々精進をしているふり

はじめに

Windows AzureアプリケーションのデータストアとしてWindows Azure Storageを使用する場合、テストやデバッグなどの際にデータの作成、確認を行う必要が生じます。開発中だけでなく、運用の際にもデータのメンテナンスを行う必要が生じるでしょう。
今回は、Windows Azure Storageのデータを操作できるツールに関して、ご紹介したいと思います。

Windows Azure StrageではTable、Blob、Queueの3種類が提供されていますが、3種類すべてに対応しているもの、1種類しか対応していなくても特化することで使い勝手を向上させているものなど様々です。またアプリケーションの形態も、通常のデスクトップアプリケーションだけでなく、WebアプリケーションやMMCスナップインとして動作するものなど、様々な形態で提供されています。

Windows Azure Storageのツールに関しては、今回ご紹介するツール以外にも各所から多数提供されています。ここで紹介されているツール以外に関しても調査していただくことで、お気に入りのツールを手にしてアプリケーション開発・運用にお役立ていただければと思います。

デスクトップアプリケーション

初めはデスクトップアプリケーション、つまりクライアントにインストールしするタイプのアプリケーションです。これらのツールは多くの機能とリッチなUIを持っており、開発を行う際には何か一つ持っておきたいものです。

Azure Storage Explorer

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現在のところ一番広く使われているのが「Azure Storage Explorer」です。先日行われたPDC09でも、多くのスピーカーがデモの際に使用していたのがこのツールです。
Table、Blob、Queueの3種類に対応しており、基本的なデータ操作に加えて、Brobのデータをプレビューや、CSVファイルをTableにインポートするなどの機能を備えています。
Windows Azureでアプリケーションを開発するならば、とりあえずインストールしておくことをおすすめするツールです。

Cloud Storage Studio

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Cerebrata社が提供するWindows Azure Strageのツールです。2010年1月から有償ツールに切り替わっていますが、価格に見合うだけの豊富な機能を持ったツールです。
特徴的な機能として、Tableストレージに保存されたデータをXML形式でローカルにエクスポート・インポートできることと、ローカルのSQLServerMySQLのデータをTableストレージにインポートさせることが可能です。Blobストレージでも、スナップショットの管理や、ファイルの大きさに応じてブロックサイズを変更するなど、有償のツールらしく非常に細かい部分まで設定を行えるのが魅力的です。

CloudBerry Explorer for Azure Blob Storage

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CloudBerry Lab社の提供するBlobストレージ専用のツールです。現在のところ、ユーザー登録を行えば無償で利用が可能です。
Blobだけに対応したツールですが、このツールで特徴的なのはUIです。ローカルのストレージと、Blobストレージが同時に見えるため、BlobストレージをまるでFTPサーバーのように扱うことができます。ローカルのフォルダとBlobストレージを同期させることもできますので、ローカルファイルのバックアップ用などにBlobストレージを使うなど、新しい使い方ができるかもしれません。

Webアプリケーション

将来的にWindows Azureが一般的になると、出先などで緊急対応としてWindows Azure Storageのメンテナンスが必要になるかもしれません。(絶対に避けたいシチュエーションですが・・・)
そんな時でも、クライアントへのインストールが必要ないWebアプリケーションとして作成されたツールがすでに複数存在しています。

Cloud Storage Studio/e

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先に紹介したデスクトップアプリケーションの「Cloud Storage Studio」を開発しているCerebrata社が提供するWebアプリケーション版のツールが「Cloud Storage Studio/e」です。
現在のところパブリックCTPとして提供されており、無償で利用することができます。
Silverlightアプリケーションとして作成されているので、きれいなUIと必要十分な機能を備えています。開発で使用しても問題なく利用できると思います。

ExploAzure

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最大の特徴はAjaxで動作するため、ブラウザさえあればどこでも操作することができる点です。プラグインなしで操作するため、環境を選ばないところが最大の特徴です。
ストレージに対して一通りの操作が行えるため、Windows意外の環境の場合にはおすすめのツールです。

Windows Azure TableBrowser

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テーブル専用のツールですが、余計な機能がついていないため非常にわかりやすいインターフェースになっています。テーブルストレージしか使わないような場合には有力な選択肢になるツールです。

MMCスナップイン

最後に一つ、かなりの変わり種ですが、MMCスナップインとして動作する管理ツールを紹介したいと思います。

Windows Azure MMC

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MSDN Code Galleryで公開されている「Windows Azure MMC」は、その名の通りMMCスナップインとして動作するツールです。
Tableストレージに対応していないのが残念なところですが、ITProの方がWindows Azure Storageの管理をする際には、これまでに慣れ親しんだUIから操作することができるため、全体から見ると異色のツールですが存在が際立つツールです。